ドキュメンタリー「フィールズ・グッド・マン」3/12(金)に公開

Introduction

米アンダーグランド・コミック界で人気のアーティスト、マット・フューリー。 彼が生み出したお気楽なキャラクター、カエルのぺぺが、極悪な“ネットミー ム”としてヘイトシンボルに認定!? ダークで過激なインターネット時代に愛 と平和を取り戻すため、マットはぺぺのイメージ奪還に乗り出すーー!


SNS、ヘイト、デモ、仮想通貨、大統領選、陰謀論...時代に翻弄され続けるペ ペの“蛙生”から観た世界の今とはーー。


マット・フューリーの漫画「ボーイズ・クラブ」は、チルでハッピーなキャラクターたち が繰り広げる若者のリアルな日常を描き、カルト的な人気を博した。しかしその主人公ぺ ぺが放ったセリフ「feels good man(気持ちいいぜ)」が全ての始まりとなる。いつから か掲示板や SNS には、このセリフと共に“ネットミーム”として改変されたぺぺが溢れだし た。そして 2016 年アメリカ大統領選時には、匿名掲示板「4chan」でオルタナ右翼たちが 人種差別的なイメージとともにぺぺを大拡散。挙げ句 ADL(名誉毀損防止同盟)からヘイト シンボルとして正式認定される始末...。マットの思いとは裏腹にぺぺの乱用は加速し続 け、なんとトランプ大統領の誕生に一役買うまでになり...!

監督のアーサー・ジョーンズは、友人のマットを助けるため本ドキュメンタリーを制作。ア ニメーションを駆使しながら、今最もホットでダークな問題を浮き彫りにした。さらに Netflix「ボージャック・ホースマン」のリサ・ハナウォルトや漫画家のジョニー・ライアン など、気鋭クリエイターたちも登場。フィクション=ミームが現実世界に影響を与える時代 におけるクリエイターの苦しみと喜びも描かれる。 サンダンス映画祭新人賞を受賞、アメリカ No1 映画批評サイト「ロッテントマト」で 96% Fresh を獲得し、「いますぐ必見の痛烈なポリティカル・ドキュメンタリー」(Polygon)な ど、海外メディアからも絶賛される本作が遂に日本上陸!

Director

監督:アーサー・ジョーンズ Arthur Jones

監督、アニメーター、脚本家。本作が監督デビュー作となる。ロードアイ ランド・スクール・オブ・デザイン卒業。マット・フューリーと同じインディ ーズコミックシーンで育った漫画家で、2011 年に自信のイラストをま と め た 本 「 Post-it Note Diaries 」 (Penguin/Plume Paperbacks)を出版。これまでのキャリアでは、ジャーナリストやド キュメンタリー映画制作者のためにアニメーションやモーション・グラフ ィックスのアートディレクションを行い、ニューヨーク・タイムズ、VICE、 調査報道機關、国際ジャーナリスト連合などの企業と仕事をしてきた。


Director’s Statement 監督の言葉


2016 年、カエルのぺぺが名誉毀損防止同盟(ADL)によってヘイトシンボルと宣言された後、 ペペの作者であるマット・フューリーは、僕を含む漫画家の友人たちに、インターネット上にペペ のポジティブな画像を氾濫させて欲しいと頼んできた。右派からペペを取り戻そうとしたの だ。僕はこのキャンペーンに協力したいと思ったし、それ以上のことができる特殊な立場にあっ た。

ペペに光を当てることは、1 年前の 2015 年 10 月、大統領候補のドナルド・トランプ氏が、自 分をペペに見立てた画像をツイートしたことで、僕にとって急務となっていた。ニュースメディ アは、「なぜトランプ氏は、白人至上主義者や学校の銃撃犯によって流用されたインターネット 上のミームを使ってツイートしたのだろうか」と困惑したが、僕にとっては、それは完璧に筋が 通ることだった。

僕は 1980 年代から 1990 年代の保守的なメディアに囲まれたミズーリ州の田舎町で育っ た。そこには、当時は過激派とされていた「私たち対彼ら」という部族主義が浸透していた。ミ ズーリを離れた後、僕はイラストレーターやアニメーターになり、アンダーグラウンドなコミック 業界に身を置いた。

それからの数年間、調査報道機関で働く間に、僕はマットとの友情を深めた。 そしてのんきなカエル男ペペがインターネット現象になるのを間近で見た。マットもカルチャー 界もペペがダークサイドに堕落していくのを理解できないようだったが、僕は異色の視点を持 った。その現象にインディーズコミックからインターネットの掲示板、学校の銃撃犯からアメリカ の大統領までつながる一本のラインが見えたんだ。

この視点があったからこそ、そしてマットが僕を信頼してくれたからこそ、ペペの冒険を記録す る時が来たと思った。この旅はまっすぐな道ではなく、まだ終わりも見えない。ぺぺの公の場 での人生は変化し続けていて、時には取り返しのつかないほど陰鬱だと感じるけれど、同時に 無限の希望で満たされてもいる。ペペに起こったことは、現代の僕たちが住むこの世界を物語 っているということを映画で描いたんだ。

フィールズ・グッド・マン
2021 年 3 月 12 日(金)ユーロスペース、新宿シネマカリテほかにて全国順次公開
配給:東風+ノーム
https://feelsgoodmanfilm.jp/
©2020 Feels Good Man Film LLC

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