「この10年間のジャーナリズムの功績トップ10」に『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』が、選出!

今年7月30日に新潮社より発売され、各紙誌で書評が次々と掲載されるなど話題となっているルポ『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』。10月14日、その原著となる『SHE SAID』がアメリカで「この10年間のジャーナリズムの功績トップ10(Top Ten Works of Journalism of the Decade)」に選出された。

これはニューヨーク大学のアーサー・L・カーター・ジャーナリズム研究所が発表したもので、2010年から2019年の間に発表されたすべてのメディアにおける報道が対象となり、最終的に122の候補から10の報道が選ばれた。

『SHE SAID』は「#MeToo時代の記録である」「#MeTooは現代を象徴する社会問題であり、この作品の影響は時代を経ても続くものだ」などと高い評価を受けている。

©Martin Schoeller©Martin Schoeller
選出を受け、著者のひとり、ジョディ・カンター(写真左)はツイッターで「このリストに載ったことをとても光栄に思います。記事の力、勇気ある証言者、そしてたゆまない真実追求に乾杯」と述べた。

本書は、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインから、成功を夢見る有名女優や元従業員が苛烈な性的嫌がらせを受けながら、自分の未来を人質にされ、秘密保持契約と巨額の示談金で沈黙を強いられていた実態を、ニューヨーク・タイムズの2人の女性記者が炙り出し、2017年10月に記事にするまでの過程を克明に記録した骨太かつスリリングな調査報道作品。

この記事掲載によって、#MeToo運動に火がつき、まさにひとつの記事が世界を変えていった。その後の社会の変化も丁寧に描かれている。本書は日本でも注目を集め、増刷を重ねている。

本作には、各界の識者から、こんな推薦コメントが寄せられている。

◆石戸諭(ノンフィクションライター)
「事実は、いかなるオピニオンよりも社会を動かす。」 

◆荻上チキ(評論家)
「権力と金によって、隠蔽されてきた性暴力たち――。ハリウッドだけではなく、世界中の性差別を問い直した、執念のルポがようやく読めた。」

◆長野智子(キャスター)
「権力者との死闘に立ち上がった女性たちの慟哭と勇気に身震いがした。」

◆浜田敬子(Business Insider Japan統括編集長)
「女性たちの信念と連帯が、世界に勇気を与えた。
一つの記事が世界を変えた、調査委報道の軌跡をぜひ手に取って頂きたい。」

世界が大注目する一冊からますます目が離せない。

【著者・ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイーついて】
ともに「ニューヨーク・タイムズ」紙の調査報道記者。
カンターは職場問題、その中でも特に女性の待遇について重点をおくとともに、2度の大統領選挙の取材に従事。著書に『The Obamas』がある。
トゥーイーは女性や子供の問題に焦点をあて、ロイターニュース記者時代の2014年にピュリッツァー賞調査報道部門の最終候補者になる。

カンターとトゥーイーは本作の基となったハーヴェイ・ワインスタインについての調査報道で多くの賞を受賞し、ジャーナリズムの分野で最高の名誉とされるジョージ・ポルク賞や、「ニューヨーク・タイムズ」としてピュリッツァー賞公益部門を受賞している。

【書誌情報】
タイトル:『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』
著者名:ジョディ・カンター,ミーガン・トゥーイー 古屋美登里(訳)
判型:四六判(416ページ)
定価:2,365円(税込み)
発売日:2020年7月30日 
ISBN:978-4-10-507171-4
書籍紹介サイト:https://www.shinchosha.co.jp/book/507171/

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